"好き"



「ちょっとぉ、琉〜
開けてすぐ閉めるってどういうこと?

せめて、あたしのおかえりぐらい聞いてからにしてよ」


いや、ちょっ、かな!!


ふ、風呂入ってるとこ見られたら、ふつー、それ相応の反応は起こすだろっ!?


何言ってんだよ!!




かなは俺の気も知らずに、続ける。

「何なのよぉ、もう。
いるの、いないの?琉?」


俺はもう半分以上やけくそだ。

「いるよっ!!何!?」

「あっ、いたの?台所行って鍋見て。今日の琉の晩ご飯作ってあるから」

俺は「分かった」と急いで答えて、逃げるように台所へと行った。








鍋を温めながら、あることに気づく。




彼氏と見られる前に男としてすら見てもらえてないのか?俺……




男として間違いなく悲しい瞬間であった…