大橋君は教室の外にあたしを連れて出て。
教室から少し離れた、人の気配の少ないところで立ち止まる。
「ごめんね、さっきはあんなこと、あんなところで突然言って」
大橋君が謝った。
全くだ。何のためにあたしが耐えていたんだか。
なんて思いながらも、
「ううん、助かったよ。本当にありがとう」
ってホッとした笑顔で言えるあたしも、かなりの偽善者。
あたしの言葉をそのまま信用したらしい大橋君は、照れて頭をかきながら言う。
「そんな、お礼を言われるようなこと何もして無いよ。
それより、君が教室に帰った時気まずくないかなって気になって…」
「いえ、大丈夫です!あたし、こう見えても強いんですよ」
「えっ、そうなの?知らなかったなぁ…
なんてね。俺、ずっと君と喋ってみたかったんだ。
なんか、あんまり喋る機会が無かったから…」
何言い出してんだ?こいつ。