ひねくれ者のあたしは、偽善だな。と思った。
そして、「何よ〜」と言いながら女子達が遠ざかって言った後、あたしは一応、大橋君にお礼を言いに行く。
「ありがとう…ごめんね、お手数かけて」
「良いよ、俺がしたくてしたことだし」
大橋君は笑顔で言った。
おいおい。善人ぶるのも良い加減にしろよ。
あたしは心の中でつぶやく。
大橋君は居心地が悪そうにこう言った。
「あの…さぁ。ちょっと教室の外に付き合ってくれないかな?
ここちょっと、居づらい……」
「えっ!あっ、はい。良いよ、もちろん」
全っ然、良くない。