あたしの意見を無視して 手を引いて歩き出そうとした瞬間 肩に重みがかかって、 「コイツ、俺のなんで」 という、低い声が間近で聞こえた。 声の方を見ると、 武下くんがいて 「なんだよ、彼氏持ちかよ」 って、男の人たちは去っていった。 ホッとしたのもつかのま 肩を両手で、つかまれ 「大丈夫か!?」 って、声を張り上げるから びっくりして 頷くことしかできなかった。