「どーしたの?」


少し顔を赤く染めながら

聞いてくる杏樹を

今すぐにでも抱きしめたい気持ちを

どうにか抑える。






「昼ごはん、俺らと食べない?」



何を言うか決めていなかった俺だが、

案外すんなりと、

誘いの言葉が出た。





「み、瑞穂にも聞いてくるね……!!」


俺の誘いに

パァッと顔を輝かせ

友達のところへ走っていった。




「おっけーだって!」



少ししてニコニコした杏樹が

帰ってきて、そう答えた。