「はぁ…」



帰ろ

腹減りすぎて死にそうだし


たけど帰ろうとした瞬間






「栄華?ここでなにしてるの?一人で…」


母さん
なに言ってんのか…
どうみれば一人と見えるのか


「母さん。なにいってるんですか?ここに髪長男がいますよ」


男を指差して言うと
母さんがまたへんなこといった


「え、栄華ちゃん。だ、だれもいないよ?」



また「栄華ちゃん」にもどってるし



「?なに言ってる「もう聞かないほうがよいぞ。変人扱いされたくなければな」



髪長はフンと鼻で笑うように言った


なんなのいったい、まぁもういいや



「あー、もういいです。で、母さんはなにしにここへ?」

「家の家事もおわって心優(こゆう)も帰ってきたのでちょっと散歩にね…」


心優とは私の弟
今の母さんと父さんとできた子供

だから私はいらない子というわけだ


「そうですか。私は家にもどって留守番しています。」



どうせそこに隠れているんだろう
心優は…


心優は私のことが嫌いだからな
顔もみたくないんだろ

でも、


「心優も、またね」


一応声かけないとね
返事はしないと思うけど


ザッザッザッザッザッ
タッタッタッタッタッタッタッ


私は母さんがいる階段をのぼって帰った

ビクッ

「…」

やっぱりいた


心優は私がのぼって来たことにびっくりした
そして目を逸らす

はぁ
まぁいいやいつものことだし





「あっ」


髪長のこと忘れてた


「…いないし」


みてみるとそこには誰もいなかった


「どうしたの?栄華ちゃん?」



・・・・・・


また…


「栄華」

「え?」

「名前、戻ってますよ母さん。それじゃ」



はぁどーでもいいのにね
名前なんか




そして私は颯爽と帰った