よし


準備出来た


あとは再生ボタンを押すだけ



「おい我も聞いて良いのか?蓮もだ」


は?きいちゃダメとかあんのか?

別にどうでもいいだろ


「別にどうでもいいし。ききたくないならでてけば…」


「「……」」


でてかないんだ

まぁいいけど





カチッ



ジーーー……


『あー、ちゃんととれてるのかな?まぁとれてないときは別にいっかぁ』



お母さんの声だ

『おーい栄華きいてるかぁ?お母さんだよぉ!ってお母さんのこと覚えてないよね。』


おぼえてる


『お母さんね、死んじゃうのもうすぐで。だからこうやってテープとってんだよ!なんでかって言うと、栄華にお母さんのこと忘れさせないため!あはは』


忘れてないよ

あのことも…



『はぁ。と、いっても栄華はお母さんのこと嫌いだもんね…あのことで。あの日から栄華の目が変わっちゃったもんね。あの時お母さんどーかしてたよー!あはは』



笑い事、なの…


あのときの出来事は


『このテープいまきいてる栄華はいくつかな?小学校の高学年?中学生?もしかして高校生?わかんないねぇ。結婚するまで栄華をみときたかったよ…』



高校生、だよ


そしてもう結婚する



『今の栄華は笑ってますか?お友達はたくさんいますか?元気に暮らして…グス…いけないね、お母さん。まだないちゃダメなのにね。…お父さんは元気?もうしわくちゃかな?あははは…』


お父さん…

もういないよ

天国にいったよ

お母さん貴方のところかもしれない…


『栄華、お母さんが死んだとき泣いてくれた?ないてたらよかったな』