幻想鏡華伝~華鏡の羽衣~


「あ、私…用具しまってくるねっ!」

「じゃあ私も」

新見くんとの会話を中断して、自分の席に着き用具をしまう。

用具をしまっている時だった。

――――――ズキッ

「…っ!」

突然、包帯をしていた右腕に痛みが走った。

なんでいきなり…

「紗槻、どうしたの?」

席が後ろの唯芭が心配そうに聞いてきた。

「大丈夫だよ。右腕がちょっと痛かっただけ」

「血のせい?じゃなかったら大丈夫じゃないわよね?」

「多分血のせいだと思う。でもなんでいきなり…」

そう言いながら包帯を外す。

「えっ…ちょ、紗槻包帯外して大丈夫…!?」

「うん、大丈夫…」

包帯を外すと、自分の一族の印。
刻印が書かれていた。

な、なんで色葉一族の刻印が…。

「腕のところ…何かあった?」

「う、ううん。何もなかったよ」

「そう?ならよかった」

もう一度包帯をはずして自分の腕を見る。

確かにあった。

色葉一族の刻印が。

あれ…でもちょっと待って。

さっきの天って人の写真に写ってた…坐骨あたりにあった刻印と私の腕にある刻印…