あんな風に言われたら逆らいたくなったので、私は海にやって来た。


懐かしい思い出に浸るために。


心ちゃんが神様になってしまって一月後が私の誕生日だった。


一人ぼっちのBirthday。


お母様もお父様も島の人たちだって心ちゃんの事件の後始末に追われていて。


私のことなんか忘れていた。


汐姉様は事件の後、引き込もってしまっていた。


そして、心ちゃんは。


事件の後、一ヶ月間ずぅーっと昏睡状態のまま一度も目覚めていなかった。


私は聞いてしまっていた。


島の大人たちが口々に


「あのまま、心音様が目覚めなければいいのに」


と、言っていたことを。


そして、私は一人ぼっち。


誰も私の誕生日に気を配ってくれない。


もちろんパーティーもプレゼントもケーキもない。


私はあの日も一人、今日のように海に遊びに行った。