「よしっ!思い出したよ。


例えばさ、電車で轢かれて死ぬ運命の人がいるとするでしょう?


時廻の人間はその時間、その人が死ぬ時間をなかったことに出来るの。


それだけだと人助けした人みたいだけど勿論違って。


時廻の能力はそこで死ぬべきでない人に死の運命を押し付ける能力なんだ。


他の人が電車で轢かれて死ぬの。全く無関係の人を殺す能力」


「つまり、死の運命を変えられるの?」


「うん、まあ。


でもさ、時廻は忌み嫌われてるのを忘れちゃダメだよ。


"自分達の都合だけで人を殺す。あいつらは人殺しなんだから。私は人殺しが大嫌い。意味もなく人の運命を螺曲げるあいつらが嫌い"


か。


だから僕の事も嫌いになっちゃったんだよね、汐姉はさ」


最後にいきなり汐姉様の口調をなぞって心ちゃんは言った。


とても、切なく苦しげな表情で。


「ごめん、心ちゃん。嫌なこと思い出させて」