「…………あのー?鈴?」


困惑したディフの声が頭上から降ってくる。


「うぇ!?私、何して…………」


私、何してるの?


火傷の痕が気になって、ぼうっとしてたからって。


「いや、いいんだけど。くすぐってぇ。あと、血ぃ付いたぜ?」


「え?」


示された指を見ると赤錆のような血が付着している。


殺人鬼になんて触れるから。


「つか、いい加減そこ退いて。俺、人魚は殺す予定ねえけど鈴は見た目が人だからつい殺りたくなる」


「そう簡単に殺されるもんですか」


「あれぇ?出会った日のこと忘れたの?」


くすくすと笑いながら私の首筋に触れるディフ。


ぞく、として反射的に飛び退いてしまう。