「~~~~♪」


キュー、と愛らしい声がして何匹かイルカが寄ってくる。


人魚の血を引く私の歌は人間の動きを制限することと、海の生物と心を通わせる効果がある。


特にこの、ミィと名付けたイルカとは仲が良く、暇な日には乗って近くの海を見たりする。


よしよし、と撫でてミィの好む歌を歌ってやるとすりすりと頭を押し付けてくる。


本当、可愛いって正義。


しばらく遊んでいるとキュイっと鳴いて潜ってしまった。


誰か来たのか、と後ろを見ると案の定ディフがいた。


「あ、逃げた。俺、イルカ好きなのに」


つまらなそうに言う。


「ねえ、心ちゃんは人間?」


バケモノと言われる覚悟をして尋ねた。