人魚姫と海の涙

そんな姿で彼女は俺の方へ近づく。


カラン、コロン。


歩く度に耳を打つその音が忌々しい。


俺が嘔吐したことに気が付いたのか、不気味なまでに形のよい眉が寄せられ、鮮血のような眩しい紅色の唇が開く。


「薬。この程度で音をあげるなど、時廻としてあってはならないことですよ」


「………はい、母上」