人魚姫と海の涙

「あのねっ、私ね、人魚の血ぃ、引いてるんだってっ」


泣きじゃくりながら鈴ちゃんは僕にそんな事を言う。


幼い口調で、まるで僕はお姉さんみたい。


昔っから鈴ちゃんは困ったことがあると僕に相談してきた。


この島の誰とも血の繋がりのない、海堂家の養女である鈴ちゃん。


その事に負い目を感じているせいか、鈴ちゃんは母さんと父さんの前では決して弱いところを見せない。


それでも、僕と同じでまだ十歳。


訳なく不安になることなんかたくさんある。


僕と鈴ちゃんは、大親友であり、仲良しの姉妹だから。


どんなことでも共有してきた。