人魚姫と海の涙

「ねえ、母さん。本当に?本当にあの娘は無事なんだよね?」


嫌な予感。


大切な姉妹を失うことに、僕は耐えられない。


「怪我自体は本当に大したことはなかったのよ。


ただ」


ただ?


「私。今日はあの娘を見ていないような気がするの」


僕は咄嗟に母さんを振り払って社を飛び出した。


母さんの口ぶりでは鈴ちゃんの誕生日だって忘れていたに違いない。