佐野くん、独り者なんだ…。

ドキュンっ!

おっと、ここでまた心臓がっ。

ダメだ、佐野くんが独り身でも

私には関係ないんだって

自分では全く制御出来ない。

「じゃ、渉子さん、

ありがとうございました」

席に戻れって事ね…。

「成田…渉子…成田…」

ん?今、佐野くんが

私の名前を呪文のように

呟いた気がしたけど、

気のせいかな…?