「でねー、あそこのケーキがおいしくって!」 「今度伊織も行こうよ!」 「いいのっ?」 昼休み。 私、華原伊織(カハライオリ)、高校2年生。 大親友の真依(マイ)と優愛(ユア)と3人で、 教室で最近できたカフェの話に花を咲かせてたら。 「伊織ー」 聞きなれた声がして、ドアの方に目を向ける。 「なにー?」 そこには、彼氏の水沢佑樹が、焦ったような表情で立っていた。 「世界史の、資料集貸して」 「世界史ー? …あーあった!」 はい、と手渡すと、 「さんきゅ」 と笑った。