「そういえば、進路はどうしたの?」

進路調査票の締め切りはたしか先週だったはずだ。

「ああ、それな。…まだ、迷ってるんだよ本当は。ただ、やっぱり和菓子からは離れられないのかなって…」

北条は物憂げな顔をして天井を見上げた。

「わたし、北条の作った和菓子以外の料理も食べたい」

「…え?」

唐突にでた言葉に北条はもちろんだったけど、私自身驚いた。

「…いや、あまり、深い意味は、ないのだけれど…和菓子じゃなくて他の料理を本当は作りたいんじゃないかなって…ちょっと、思って。」

うん、決して校門の女子に対抗しているわけじゃない、うんそうだ。