「ん……」
いつの間にか寝てたようだ。
時計は6時半をさしている。
のんびりと学校の支度をする。
というよりは、のろのろと。
学校に行きたくない。
いつもに増して、麗菜の顔を思い出すだけで吐き気がする。
ストレスにより私の胃はぼろぼろだった。
学校では、ご飯は食べない。
どちらにしろ吐いてしまうからだ。
昨日ケーキが食べられたのは奇跡なんだと思う。
先輩がいたから…
「あーもう!」
先輩は私の思考の住人になったんじゃないのかと思うほど考える回数は増えている。
好きという純粋な気持ちと、人を愛することへの恐怖、後ろめたさ。
二つの感情のつなひきは両者引き分け、といったところだ。
支度を済ませ、仏壇の前に座る。

チーン

両手を合わせる。
お父さん、お母さん。
私は誰かを愛していいの…?
当たり前だけど、誰も返事をしない。
鞄を手に取り、ゆっくりとドアを開けた。