いきなりブランコから、立ち上がってわたしの前に立った俊。

月明かりが反射して顔がよく見えない。


「俺と結婚してください。」


まるであの頃のような直球な告白。

でも違うのは、右手だけでなく両手が差し伸べられていて、その上キラキラ輝く指輪を持っている。

こんな幸せなことってあっていいの?


「…はい。よろしくお願いし…って、きゃっ」


まだ言い終えてないのに、左手を引っ張られてブランコから立たされ俊の腕の中にいた。


「ドキドキ言ってる。」

「うるさい。緊張したんだよ、ばか。」


すごくすごく幸せだよ、俊。


「俊、愛してる。」


俊の首に腕を回し、顔を近づける。


「俺も愛してるよ、未亜。」


久しぶりのキスは、5年前よりも甘かった。



サンタさん…ありがとう。

わたしのほしいものを届けてくれてありがとう。



5年の時を経て、今ようやくわたしたちの時計の針が動き始めた。