彼はまた話しかけてくる

「君、名前なんて言うの?」

「…霧崎 麗」

「いい名前だね」

彼はそう言って微笑んだ

そして

「僕の名前は風宮 凉太って言うんだ」

「あっそ」

私はそう返した

それからしばらくバス停に

沈黙がながれた

何分か経った

すると彼は

「うわぁっ、綺麗な虹!」

そう言って彼はベンチから立って

虹を見ていた

「ほら、霧崎さんも見てご覧よ!」

無邪気な子供のように私に

話しかけてきた

仕方なく見に行くと

そこには見た事無いような

大きな七色の虹があった

「綺麗…」

私はボソッとつぶやいた

するとそれを聞いた彼が

「本当だねっ!」

そーいってまたクシャッと笑う

私はふと彼の方を見た

その顔は

とても暖かくどこか懐かしかった

けれど

少し悲しそうにも感じた