先生が生徒会の顧問?
そんなのきーたこともない。

「まぁ、新任だから雑用に押し付けられたってわけな。」

「…お疲れ様です…」

「うん。ほんとお疲れ様だよな、……………じゃなくて!」

「へ?」

「瀬川、鈍すぎだからな?」

「な、なんですか?」

「俺がいるからやろーか。文化祭役員。」

……………そーゆーことか…

「イヤって言ったら……どーすんですか?」

「んー。」

先生はちょっと考えたあとこっそり耳元で

「夏希ならやってくれると思ったんだけどなー。」

と言って究極スマイルを私に向ける。

ドキ…………
あー!そりゃその笑顔には弱いけれども!役員なんて…本当に雑用じゃん!
せっかくクラスの出し物の方に力入れれると思ってたのに…………

「あの………私………」

「櫻田先生ぇー!こんな感じでいいかしらぁ?」

私の言葉をさえぎって私と先生の間に入ってきたのは町田先生だった。

「あ、いいですよ。文化祭パンフレットの制作進んでますね。」

「えぇ!もちろん!あ、瀬川さん?役員なってくれるの?だったら、私も顧問だから!よろしくね!」

「え………町田先生…生徒会の顧問なんですか?」

「えぇそうよー、ね?そうよね櫻田先生?」

そう言って慶太の腕を掴んで擦り寄る町田先生。

「あ、そうですね…はい。」

…………この人と慶太を二人きりにするなんて絶対むり!
でも、町田先生と一緒に活動するのも…
あーーー!
でもでもでもでもーー

「瀬川…無理ならいいんだぞ?」

慶太がなかなか返事をしない私に優しく尋ねる。

「や、やります!はい、やらせてください!」

「おぉ、そうか。やってくれるのか!良かった良かった。」

あ…………つい、口が………

「やったわぁ!ね、櫻田先生?これで人手が足りるわねぇ!」


ほら、そこ!私の先生の腕に擦り寄るのやめてってば!

私………こんなんで仕事出来るの…?