私はゆっくりと慶太の顔に近づく。

二人の視線が絡み合う。

「っ……目つぶって………?」

「ん。」

そう言って目をつぷった慶太の唇に
私は自分の唇を軽く押しつけた。

「夏希ちゃん。かわいいね。」

「…!夏希ちゃんって呼ばないで…ください……」

子供扱いされてるみたいで嫌…。

「別に子供扱いしてねぇよ?」

…心読まれてる…

「でも…そのキスじゃ足りねぇな。」

そう言うと慶太は私を引き寄せて
キスをした。

…でも、なんか変…
いつもより強いキス…

「んっっ……け、けいたぁ…………」

思わず声が漏れる。

その声が出るのを邪魔するように
慶太の舌が忍び込んでくる。

「!?」

「…そんなびっくりすんなよ…」

「だ、だって………知らないもん…そんな……キス…………」

「プッ………ほんと面白いわー。いいから。俺に全部任せて。」

再び繋がれる唇。
必死に慶太の舌に絡みつく私。

「っっんー。」

「よし!授業頑張れるわ!化学係ありがとなー!」

…………意地悪慶太…
でも…慶太は私の知らない過去にきっとこんなキスなんてたくさんしてきたんだろーな…
そう思うと胸がチクリと傷んだ。