「李桜、ここに座って」
いつもより少し強い言い方。
少し不機嫌な証拠。
めったにこんなことないけど、兄ちゃんは機嫌の良し悪しがわりとわかりやすいタイプ。
大人しく兄ちゃんの部屋のベットに座る。
隣には兄ちゃん。座ってるのはベット。
…さっき、ライトともこんな状況だったな…。
「そんなにあの男の子が気になる?」
できるだけ優しく聞いてこようとしてる。
けど、苛立ってるのがわかる。
目が怒ってるから。
あの男の子ってゆーのは、確実にライトのことだ。
「そんなんじゃない、よ」
目は泳いで、兄ちゃんの足元を見て止まる。
この状況に慌てている俺の心臓は、少しずつ鼓動を早めていく。
「李桜、俺の顔見て」
ゆっくりと上げた視線の先に、兄ちゃんの顔があった。
心臓が加速する。
そのせいか、顔には熱がたまっていく。
そらしたいのに…兄ちゃんの目から逃れられない。
そらすことができないような強い瞳は、俺を捕らえて離さない。
「…彼に何されたの?」
唐突に聞かれた質問に、俺は息を詰まらせた。
「なっ、なにもされてないって!!」
必死に逃げようとする俺を兄ちゃんが押さえ込む。
「李桜」
トンっと肩を押されて、俺はベットに体を沈めた。
その上に兄ちゃんが覆い被さる。
…あ、また。この感じ。
さっきと似てる。
この空気。
「なんで急に大人しくなるんだよ。…こーゆーこと、したいの?それとも、彼とこーゆー状況になった?」

