顔をあげて

一樹は私の手をひっぱり自分の胸に抱き寄せた。


私はまだ状況が把握できずきょとんとしていた。


「礼羅何か気づかない?」


一樹は私の左手をもって私の目の前におく。

ベッドに入るまではなにもなかった左手の薬ゆび。そこにはキラリと光る綺麗なダイヤの指輪。

私は言葉よりも先に涙が溢れだす。

「かず…き?」

「礼羅、結婚して下さい。」


下を向いて指輪を涙の目でみつめる私の頬を一樹は優しくつつんで顔を上げてくれた。
私は静かに、確実に気持ちをこめて「はい」と返事した。


「礼羅は泣き虫だよな~♪」

そういって私を抱きしめる一樹。


礼羅気づいてるよ、一樹の声かすれてるやん。抱きしめるあなたは小さく震えてることに。


泣き虫はお互いさまだよ。




「愛してる。」