結局清水君は20分くらい距離のある家まで 一緒に歩いて送ってくれた。 「今日は…色々迷惑掛けちゃって …本当にごめんなさい」 「迷惑ちゃうよ。 それと謝るのは無しなっ」 「…ありがとう」 「ん。 じゃあ、また明日な」 遠くなる背中に、 もう一度「ありがと…」と呟いた。 家に入れてくれて 温めてくれて 制服まで乾かしてくれて 壊れかけてたアタシを救い出してくれた。 それでも清水君は、 最後までアタシに何も聞かなかった。 怖いくらいに優しくて温かい人…