「もしかしたら私のこと気遣って…」
「それは違うよ。
それは…違うと思う」
ーー『坂口さんが死ぬなら、俺も死ぬよ。
…一緒に逝こう。大谷君のところに』
あの時の先生の目は、本気だった。
あの時アタシが飛び降りていたら、
本当に一緒に落ちていたと思う。
先生はそんな人だ。
いつだって、真剣で。
いつだって、アタシたち生徒のことを第一に考えている。
そんな真面目な先生のことだから、愛子への想いに気づいたときは、アタシが想像出来ないくらい悩んで…葛藤していたと思う。
『卒業するまで待ってて』なんて…
宮本先生が冗談で言うわけがない。
「他の生徒と同じように接するのも、好きな素振りを一斉見せないのも、全部愛子のためなんだと思う。
それだけ愛子のことを大切に思ってるってことだよ、きっと」
