愛子の部屋に入ってから、
アタシはいろんな話を聞いた。
先生との出来事。
先生への想い。
告白したことも。
「''卒業するまで待ってて''…か。
なんか宮本先生らしいね」
「ふふ。そうだね」
知らなかった。
愛子が先生を好きなことも、先生が愛子を好きなことも、全然気づかなかった。
「でもね、先生があまりにも普通だから…
全部夢だったのかなって思うの。
告白しようとしたことも、待っててって言ってくれたことも」
'他の生徒と同じように接すること'
'卒業までは教師と生徒の関係でいること'
きっと、先生の中でそう決心しているから
アタシも気づかなかったんだろうな…
「先生も私と同じ気持ちなのかなって思ってたけど、それも思い違いなのかも…」
