学校が見えてきたところで、校門に宮本先生が立っていることに気がつく。
「あ」
今週から先生なんだ。
「おはようございまーす」
「おはよう」
「ひろりん、おはよー!」
「おはよう」
生徒たちの声の方がずっと大きいのに、私の耳には先生の声が際立って聞こえる。
朝から会えるなんて嬉しいな。
「あー!弘也センセーじゃん」
「おはよう、田中さん」
…
「おはー♪
あ。先生頭にホコリついてるよ〜」
「ん?どこ?」
「アハハ!先生そこじゃない!
ここだよ、ココ」
あ…
「おー、ありがとう」
先生の髪、触った…
