「松田さん。そんなとこで立ってないで、入っておいでよ」 「…はい」 先生と一緒に、教室の中に入った。 「テスト返ってきたの?」 「返って、きました…」 「見せて。」 後ろめたい気持ちで、解答用紙を先生に 手渡す。 それにじっくり目を通す先生。 「…先生、あの…」 「凄いじゃん、松田さん」 …え? 「問6の問題。松田さんがつまずいてたやつ、できてるじゃん」 「あ、それは…」 「これも。一番難しい問題もできてる。 解き方がわかってないわけじゃなくて、 計算ミスしちゃったんだね」