「…清水君っ…
すぐ、戻ってくるから…」
少しずつ腕が引き寄せられていく。
「…あの、ほらっ…お粥も、まだ
作り終わってないし…ね?」
「………」
「…あっ………」
そしてまた、清水君の腕の中に抱きすくめられてしまった。
「…清水君…、あのっ…」
「…ちょっと黙っといて」
「だって…」
「…後でちゃんと寝るから。
坂口さんもココにおって」
清水君…。
そんなに切ない声で言われたら、
何も言えなくなるよ…
説得することも逃れることもできなくなったアタシは、大人しく腕の中で清水君の鼓動を感じていた。
