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「っ…クシュン」
抑えたつもりが小さい音を出してしまい、それに気づいた坂口さんが顔を上げる。
「…清水…くん」
………!!
「ごめんね…大丈夫…?」
「だ、大丈夫っっ
それより顔がっ…」
近すぎる………
「え…?」
「ううんっなんでもない。
俺は大丈夫やで。
アホは風邪引かんっていうやろ」
そう言って笑いかけると、
坂口さんも小さく微笑んでくれた。
「…とりあえずあっち行こっか」
閉まっているお店の屋根の下に坂口さんを連れて行く。
「もう大丈夫?」
「…大丈夫だよ」
俺のくしゃみのせいで止めてしまってなかったらいいけど…
離れてしまった体は肌寒く、
どちらからともなく肩を寄せ合う。
