「っ…」
もう二度と離さないように、
少しの隙間もつくらないように、
腕に込められるだけの力を込める。
「…っ…やだ…」
「……」
「…やめてよ…!
おねがい、、やめて…」
「やめへん」
「っ…」
「やめてって言われても
俺は絶対やめへん」
「……」
「近づくなって言われても近づくし、
放してって言われてもはなさへん。
ウザがられても…俺は諦めへん」
「…っ…」
「どこに隠れても俺が絶対見つけ出すし、
どんだけ逃げても俺が絶対捕まえる。
だから…どうせ俺が見つけるんやから
もう、一人で泣かんとって…」
「……」
力がゆっくりと弱まっていく。
坂口さんは、抵抗するのをやめた。
