そしてまた、キミに。





「……っ」




寝てる場合じゃない。

…行かなくちゃ。





「おいっ…清水!?」


急いで教室を出て、
彼女のいる場所へ向かう。

先生の呼ぶ声なんて、俺の耳には全く入らなかった。





根拠はないけど、坂口さんはきっとあの場所にいると勘付いた俺は、迷うことなくそこに向かって駆け走る。


傘をさすことも忘れて、たどり着くまで一度も止まらずに走り続けた。




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「はぁ…っ…はぁ…」


雨の日の公園は、
人けが無く閑散としていた。

いくら探しても彼女の姿は見つからなくて

ここにはいないのかもしれない、と
諦めかけたそのとき。



「…あ」


50mくらい離れた先に、雨に濡れながら歩く坂口さんの後ろ姿を見つけた。