朝から降る雨は、止むことも知らずに
ザーザーと音を立てて降り続けている。
いつも見えるはずの向かいの幼稚園の様子も、窓が曇っていて見ることができない。
それが余計に俺のやる気を失わせていた。
「はぁー…」
雨…止まへんかな。
机に倒れ込む。
目を閉じると、
雨の音がさっきより大きく感じられた。
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ー 夢を見た。
雨の降る暗闇の中に
坂口さんが一人、立っていて
傘もささずにずぶ濡れになったまま
虚ろな目でただ一点を見つめている。
近づくことも
名前を呼ぶことも
何もできなくてもがいていると、
坂口さんの視線が
ゆっくりと俺の目を捕らえる。
その頬に
一粒の涙がこぼれ落ちた。
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