そしてまた、キミに。

【亮side】




こうやって待つのは何度目だろう。

バイトの帰り、気づけばこの公園のベンチに座って坂口さんを待っている。




「…来るわけ、ないやんな……」



何やってるんやろ…俺。


ストーカーじみた自分の行動に呆れて、
家に帰ろうと歩き出した。


そのとき、どこからか小さな物音がした。



ガサッ…


「?」



何やろ…

あの猫、また来たんかな。



音のした方へ近づいてみると、


そこには、猫ではなく
女の子がしゃがみ込んでいた。

俯いていて顔は見えない。



「あの…大丈夫ですか」


声をかけると、ピクリと肩を揺らした女の子が顔を上げる。




…え?



「坂口さん…?」