たどり着いたあの公園。
だけど、ベンチに人影があるのに気がついてすぐ目の前で立ち止まる。
あの人影は…
清水君…?
ここのアパートの住人だから公園にいてもおかしくないけど、何でこんな時間に…
時刻はちょうど11時を回ったころだった。
清水君は、誰かを待っているように辺りを気にしている。
それを見て咄嗟に木の影に隠れた。
しばらくして、
ゆっくりと立ち上がった清水君は
息を吐きながら小さく呟いた。
「…来るわけ、ないやんな……」
街頭に照らされたその表情は、
見たこともないほど寂しげだった。
そのとき、ふとあの時の記憶が頭を過る。
