しばらく歩いたところで、立ち止まる。
久しぶりに外に出たからかな…
少し目眩がする。
時間を見ようと
鞄から携帯を取り出したけど、
「あ…」
手を滑らせてそれを落としてしまった。
屈んで拾おうしたとき、頭が左右に揺れるような感覚に陥って
アタシはそのまま意識を手放した。
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あれ…アタシ…
「優…気がついた?」
この声は…
「…愛子…?」
「うん」
体を起こして動こうとしたときに気づく。
見覚えのある部屋と微かな消毒の匂い。
左腕には点滴がされていて、その手を愛子が握ってくれている。
ここは…
