『あの…大谷君…』 自分の責任じゃないけど、ほとんどの人が10点満点なのに5点の解答用紙を返すのが申し訳なくて、躊躇していると 大谷君は突然変なことを言った。 『坂口さん… 名前、''優''って言うんだ』 『え… う、うん』 『ふーん』 そして、なぜか彼は嬉しそうに 口元を綻ばせていた。 『優しい…か』 『?』 『すっごい坂口さんに似合う名前だね』 え…? 『そ、そうかな…』 『うん。 ピッタリだよ』