そしてまた、キミに。

【亮side】



休み時間。

バスケに誘われて中庭まで来たものの、今日は全くやる気が起こらなくて近くのベンチに座った。



「はぁー…」


「柄にもなくため息なんかついてんじゃねぇよ」

「俺だって辛い時はあんねん…」


「は。何だよそれ」

「アハハハ」




あれから1ヶ月。

坂口さんには一度も会えていない。


『お願いだからっ…
お願いだから、これ以上優しくしないで』

坂口さんはあの日を境に
余計に俺を避けるようになった。



坂口さん、、


「お願いやから…
どこにも行かんとって……」




「ヤベェな、これ。
独り言まで言い出したよ」

「ここまで来たら
なんか面白くなってきた」

「ハハ、確かに」

「…うるさいで」

「あれ。
亮、聞いてたの」