そしてまた、キミに。




「よし。できた」

先生は、私の足首に慣れない手つきで丁寧にテーピングを巻いてくれた。


「そんなに腫れてないし軽い捻挫だと思うけど、念のために病院行っておこう。
松田さん家、病院だったよね」


''はい''

頭では返事をしたのに、なぜか声にならなかった。



「車の鍵取ってくるから、
ちょっと待ってて」


そう言って立ち上がった先生の手を
無意識に私の手が引き留める。


「?…
松田さん?」


頭では離そうと思っていても、
すがりつくように握った手を離すことができなかった。



「…どうしたの?
まだ痛む?
氷持ってこようか?」


心配そうに見つめる先生に、
私は必死になって首を横に振った。