そのとき、近くで話していた先生と生徒の会話が耳に入る。


「田中さん。25番目走ってくれる?」

「はい。どうかしたんですか?」

「坂口さんが体調不良みたいで」

え?…


「ごめんね。
2回走らせちゃうことになるけど」

「全然大丈夫ですよー」



優…
今、どこにいるんだろう。








リレーが始まってみんながそれぞれのクラスを応援する中、私はそれどころじゃなかった。



『晃は…

晃はもう、いないんだよ?』



自分が優に言ってしまった言葉が
頭の中で何度も何度も繰り返される。



優、、

ごめんね…