「坂口さんの彼氏…やんな?
でも俺、大谷晃に会ったこともないし
見たこともない。
サッカー部やって聞いたけど、
そんな名前のやつおらんかったし」
優を知れば、彼の存在が現れるのは必然的なことかもしれない。
だけど…
「松田さん、知ってるんやんな?
大谷晃のこと…。
俺に…その人のこと教えてくれへん?」
私が晃のことを話してもいいのだろうか…
「俺、坂口さんの本間の笑顔が見たい…。
もっと笑って欲しい。」
清水君の揺るがない瞳から、
真剣さが伝わってくる。
「俺に何かできるかわからへんけど、、
でも…坂口さんを助けたい…」
きっとこの想いは本物。
だけど、だからこそ
優のためにも、私のためにも
清水君の口から…
あの言葉が聞きたかった。
「清水君は…優のこと、好き?」
