「…坂口さんって…いつも冷静で、
何事にも動じひん感じでさ。
そういう強いコなんかと思っとってん。
…初めは。
でも、坂口さんのこと知っていくうちに、
どこか寂しげな表情とか、何度か見てしまった涙とか…
なんか大きなものを抱えてるんちゃうかなって思うようになった」
清水君は思いを伝えるように
丁寧に言葉を紡いでいく。
「坂口さんだって…
もっと自然に笑うやんな…本間は。
その笑顔を何かに遮られてるんやろ?」
前の優の姿を知らないはずなのに…
今の姿を見て、それを見抜くことができるのは
たぶん清水君くらいだろう。
「…勝手な想像やけど、、
''大谷晃''って人が関わってるんちゃう?」
「!?」
晃の名前が出てきて、私は驚いた。
なんで清水君が…晃を知ってるの?
