ー 5時間目が終わった頃。
優が教室に戻ってきた。
「優、大丈夫?」
「…うん、ありがと」
思ったより穏やかな表情で安心した。
清水君は…まだ屋上かな。
「…今日はもう帰るね。
帰ってちょっと休む」
「優…」
「心配しないで、もう大丈夫だから」
そう言って微笑むから、
優の言葉を信じることにした。
「…あ。お昼はごめんね。
愛子、一人にさせちゃって」
お昼…
「…ううんっ
私こそごめんね!呼びに行けなくて。
…ちょっと、先生に呼ばれちゃって」
一瞬、屋上で見た場面が
また頭をよぎった。
でも、大丈夫。
目一杯泣かせてくれた先生のおかげで、
気持ちに整理をつけられたから。
まだ想いも伝えてないけど、いいの。
相手が優なら。
後悔なんてこれっぽっちもない。
