「……」
「坂口さん?」
「……晃…」
「あき…ら?」
いつの間にか口走ってしまっていた名前。
「…ううん。
何でもない」
「…」
不思議そうな顔をしたけど
清水君はそれ以上何も聞かなかった。
「…猫好きなの?」
「うん。
と言うか動物が好き」
ーー『俺、動物好きなんだ』
「自分より小さい生き物って無条件に可愛いと言うか、かわいがりたくなるねん。
坂口さんもわかるやろ?」
「…」
照れながら微笑む清水君の問いに
無言で頷く。
ーー『小さな生き物ってかわいいよね。
ぎゅーってしたくなる』
ねぇ、清水君も…
子どもたちと走り回ったりするの?
