「安心したようにすごく喜んでた。
ありがとうございますって
深々と頭を下げてくださって…
俺は何もできてないって言ったけど」
そんなことない。
先生には本当に感謝している。
彼に…彼の家族に未だに会いに行けずにいるアタシを責めたりしない。
無理しなくていいって
ゆっくりでいいからって言ってくれる。
「まー、相変わらず遅刻はするけどね」
先生がからかうように笑う。
「…だって朝、苦手なんだもん」
愛子や家族とでさえ晃の話はあまりできないのに、先生となら不思議なくらい自然と話せる。
…本当にこの人が担任で良かった。
「…元気だった?」
「ん?」
「…体調良くなってた?」
「うん。
痩せてたお母さんも少しずつ元に戻ってきてるみたいだったよ」
「…そっか」
よかった…
