イルミネーションが始まった。
赤、青、黄…様々な色の電飾が
夜の闇をキラキラと彩る。
さっきまでと同じ場所だとは思えない。
でも、やっぱりこの位置からは
全部を見ることはできない。
「ちょっとあっちに移動する?
あっちのほうが見えるかも…」
坂口さんに声をかけたけど、
あ…
坂口さんは目をキラキラと輝かせて
光の織りなす景色に目を奪われていた。
その横顔は、美しさに胸を躍らせる
可愛らしい女の子そのものだった。
強がってばっかりやけど
坂口さんも普通の女の子やん。
冷たいけど優しくて、
強いけど可愛い…
坂口さんを知るたびに想いが強くなって、
もっと知りたい
もっと触れたい
そんな欲望が胸を締め付けて苦しくなる。
俺はイルミネーションよりも美しい
この横顔からただただ目を離せずにいた。
