そしてまた、キミに。




そう思ったとき、
ほんの一瞬だけ誰かが後ろから俺の服を
小さくキュッと握った。


「え?」



手はすぐに離され、振り返ったときには
坂口さんの姿がなかった。

もしかして俺の服握ったの…坂口さん?




「坂口さんっ!」


人の波をかき分けて後ろに戻って行く。

けど、坂口さんの姿はない。



どこ行ったんやろ、、、




「坂口さん!」



必死になって探していると
いつの間にか最初にいた駐車場の辺りまで
戻ってしまっていた。



あ〜、、どうしよ。

どこ行っちゃったんやろ。


服握った手、掴めてたら…