ドアのところには猫の餌が何ヶ月分かわからないくらいある…

同じのばかり。
僕が最初に完食したのだ。あの時はお腹空いてたから…だけどそんなに好きでもないのに…。。。

猫の本には付箋がしてあってよく読んでるみたいだったけどこの部屋で読んでるのは見たことがない。

人間はその日から窓を開けて出かけるようになった。不用心だ…。近所の猫も言ってる。

僕たちは人間の噂もすぐに耳にはいる。
その人間の話も聞いた…

僕はまた1人になりたくないから遊びに行ってやるか!って思いで出かけた。

人間は書類を見て何かを覚えている。勉強…なのかな。
それが終わると、チンッって音がして、しばらくして歌い出す。

僕にギターを持たせる。

…持てない。

少し小さなギターを出してきて僕の上に置いた。
軽かった。
左手で触ると音がした。
爪があたって傷になったけど人間は何も言わない。人間は押すと音が出るものや、人間の声が録音されたものを見せてくれたり聞かせてくれた。

CDというものを聴いた。
…この人間より上手だと思った。これを作りたいのかなって思っていた。

僕は楽しい時間を過ごした。同じような毎日が少し変わった。

そうやって人間の歌を聴いて春になった。
たぶんこの人間が来て一年なのかな。

僕はギターが持てるようになった。
そして、いつも同じ歌を歌ってるから僕も覚えた。

僕に言葉があればきっと、かけてあげる言葉もあった。話しかけてくるのを見つめるだけじゃなくて、僕もそれに応えることができた。

人間がうらやましい。

ブルームーンの話を思い出した。